手話ロックバンド BRIGHT EYES super-duper
──自己紹介とともに、好きなミュージシャンやバンドを始めたときに影響を受けたミュージシャンを教えて下さい。
木村正明(きむらまさあき)です。
ブライトアイズの結成のころから影響を受けたミュージシャンは、長渕剛、中村あゆみ、ブルーハーツです。
──長渕さんのTシャツ、今日も着用されていますよね。あと、センターのスタッフと同世代かもしれません。スタッフSと同い年でした!
山本智久(やまもとともひさ)です。ベースを始めたのは高校の音楽クラブです。ブライトアイズに入る前は、後輩と一緒にスマイルというバンドをしていました。
高校の時は本当はギターがしたかったのですが、部活なのでベースがいなくて、ベースをしました。好きなミュージシャンは、C-C-Bです。
(成田)そうだったんだ、知らなかった。あのドラムが特徴的な!懐かしいね。
(山本)C-C-Bのベースの渡辺英樹(わたなべひでき)さん。ほかは海外のバンドで「ディープ・パープル」とか「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」「ピストルズ」とか好きです。
鈴木俊祐(すずきしゅんすけ)です。音楽のきっかけは兄からの影響で、バンドをやっていてギターをはじめました。もともとは一宮聾学校を卒業して、高校卒業後に名古屋聾学校の専攻科に入りました。
そこで成田先生と出会って、ギターやボーカル、ドラムなんかをはじめました。
(成田)愛知県には5つ聾学校があり、小学部から高等部まであります。名古屋聾学校だけ高等部の後に専攻科があります。短期大学みたいに2年間で、彼はそこに高校を卒業して入ってきたんです。
──音楽部のことを教えて下さい。
(成田)音楽部を立ち上げたのは、木村君。木村君が専攻科の時は、山本君はまだ高校2年生。鈴木君はそのときはまだ一宮聾学校にいたんだよね。
音楽部は、13歳から20歳ぐらいまで、中学生から専攻科まで入れるんです。設立してもう34年になるけれど、名古屋聾学校の音楽部は代々続いて後輩達ががんばってくれています。
木村君が初代部長で、山本君も部長だよね。代々みんなが部を引っ張ってくれていました。
成田佳総(なりたよしふさ)と言います。僕も中学2年生に兄の影響でベースを始めた。ギターだったらよかったんだけど。先輩から安く譲ってもらって。ブライトアイズになってからドラムをしています。
僕も山本君と同じで外国の音楽ばかり聴いていました。KISS(キッス)とかDeep Purple(ディープ・パープル)とか好きで、年齢があがってくるともう少しマイルドな、Eagles(イーグルス)とかThe Doobie Brothers(ドゥービー・ブラザーズ)とか、ああいうのが好きですね。
学校の先生になったときに、彼らがThe Blue Hearts(ザ・ブルーハーツ)とかJUN SKY WALKER(S)(ジュン・スカイ・ウォーカーズ)とか、「良い、良い」っていうから聞くようになったら「良いね」って影響を受けて、いまではパンクっぽいやつとか、ロックとかが好きですね。気持ちがスカッとします。
最近は、あいみょんを聞いてます。僕は聾学校を離れていて、今は病院内の学校で勤務しているのですが、その子たちがいろいろ教えてくれます。あいみょんは歌詞もいいし、ギターもうまいしね。
(鈴木)僕はイーグルスが今も好きかなぁ。あと、サンボマスターは、バンドでやってみたいなぁと思います。
(山本)僕は三線(さんしん)にはまっていて練習しています。ベースと違ってフレットがないので、ベースなら「ド」の音がわかるんですが、どこが「ド」の音かわからなくて難しい。BEGIN(ビギン)の「涙(なだ)そうそう」とか「島人ぬ宝」とか、DVDを見ながら練習しています。
(成田)山本君ブライトアイズで三線弾いてよ。あっ、ベースがなくなっちゃうなぁ。
(山本)ベースではチョッパーベースを練習しています。
(木村)僕はやるやらないは置いておいて、興味を持っているのは沖縄の音楽で、山本さんと一緒です。沖縄関係の友達がいて、いろいろと良い音楽を紹介してもらっています。ビギンもそうだし、童神(わらびがみ)という曲もいい歌だと思っています。
──今日の演奏曲について教えてください
(成田)6曲目の「ワン スモール ワールド」だけ僕らのオリジナル曲ではなくて。浜松の不登校の子を応援している、元ザ・ブルーハーツのドラムの梶(梶原徹也)さんと、NHKの体操のお兄さんだったかしわ哲さんが知的障害の子どもたちとかかわっている「サルサガムテープ」の曲で、世界のごみ問題や子どもの問題などをテーマにした曲なんです。
すごく気に入って、一緒に飲んだ時に、かしわさんにこの曲をブライトアイズでやっても良いですかってと聞いたら、「良いよ、やって、やって。」と承諾してもらって。元の曲はこんな激しいロック風なかんじじゃないんだけど、ブライトアイズでやるからアレンジを変えてます。
──作曲や作詞はどのようにされていますか
(成田)曲は僕が作っているんだけど、歌詞は木村君がつくったり、鈴木君が中心になって作ったり。2番はみんなで考えたりすることが多いかな。
今日の「PEACE」は、みんなで作った曲。ライブのMCでも言ったけど、みんなで広島に行ったときに、原爆ドームや広島平和記念資料館にショックを受けて、眠れなくなって、いろんな話をしてこれを歌にできたらいいねということからみんなで曲にしました。
──歌詞が先か曲が先かといえば、どっちですか?
(鈴木)歌詞が先で、メールで「良い詞がちょっとできた」と送ります。2,3番はみんなで作ります。はじめは、手話を使う関係から手話と言葉の数を合わせるようにしてたんです。曲のリズムは早いけど、歌詞はゆっくりとか考えて試行錯誤をしていたときもあったけれど、今は全然関係ないですね(笑)。
曲のアレンジは、各人が好きなように考えます。スタジオに入ってベースはこう弾いて良いですかとか、じゃあギターはこのようにしますと相談しながらやっています。
──今日演奏した曲の中で一番新しいのはどれですか?
(成田)今日は危ないので、新しい曲はやりませんでした!新しい曲は、練習の数が少ないので、今日は京都だし、野外でもあるので、音が回って聞こえなくても勘でできる曲にしようと、慣れた曲を中心にしました。
(鈴木)「ランクル」かな?
(木村)「手紙」という7曲目の曲がこの中では一番新しい。
セットリスト
1.80100
2.月明かりの下で
3.SIGN LOVE
4.KEEP ON MOVING
5.PEACE
6.ワン スモール ワールド
7.手紙
──セットリストを見せてください。ランクルはどれですか?
(鈴木)1曲目の「80100」がランクルです。80100は、ランドクルーザー80とランドクルーザー100という車種名にちなみ、その車でいろんなところに行ってライブをするという曲です。
(成田)ぼくらは「はちまるいちまる」って言ってます。
──今日演奏した曲の中で一番古いのはどれですか?
(木村)「SIGN LOVE」かな。手話を教える歌です。
──バンドを初めてから変遷があると思うのですが、一番新しいメンバーが入られたのはいつですか?
(山本)ベースの僕が平成20年頃からサポートで入って。
(成田)月日が経つのが早いね。
(木村)山本君にサポートで10年ちょっと手伝ってもらって、それからもう14年ぐらいですね。
(成田)山本君が入ってくれてバンドが続いたというか。
(鈴木)入ってくれなかったら解散していたね。
(成田)ボーカルは手話をやらなくちゃいけないんでね。手話を見に来てくれるお客さんがいるから。 手話をやらなくていいなら、鈴木君がベースを弾いたら良いんだけど。
(鈴木)最近ギターを弾いていて、木村君のギターとハモったりするんだけど、今日は安全策で歌に専念しました。間違ったら申し訳ないので。
(成田)鈴木君はギターを弾くときは、ギターを頑張って弾いて、弾かないときはギターをくるっと後ろに回して手話をして、またギターを回して弾くんだけどね。