社会包摂とアートシンポジウム2022

手話ロックバンド BRIGHT EYES super-duper

何百回か練習してできるようになった

──練習方法を教えてください。

(木村)視覚的に動画をスマホでとって、音量をアップさせるようにそれを大きなスピーカーにつないで、画像を見ながら何回も練習します。

 

(山本)特に映像ではドラムを見ながら、スピーカーから大きな音で出します。スピーカーで、ドラムの振動を感じながらベースの音を合わせていきます。

 

(木村)僕は家の人がうるさくないようにヘッドフォンで聴いています。

 

(山本)僕は田舎なので(笑)、大きな音でも大丈夫です。

 

(鈴木)僕は新しい曲の時は、イメージトレーニングしかないですね。

 

(成田)ボーカルは大変で、ドラムやギター、ベースは何とか形になるんだけど。ちゃんと普通に人前で歌えるようになるには6か月ぐらいではだめで、今日演奏した曲も何百回と練習してやっとできるようになるんですよ。

 

(鈴木)練習の工夫は先生のドラムのリズムを頭に浮かべながら、ギターを弾いて、ギターの響きで音を確認しています。コードの音から歌の音が外れているとか外れていないというのがなんとはなくわかるので。ギターで確認して、それから歌って確認して練習しています。

 

──新曲は6か月ぐらいではできないと言っておられましたが?

 (成田)でも一度勇気をもってライブで演奏してみないと、モノにならないのです。勇気をもってやってみて、そこでぐちゃぐちゃになって失敗して(笑)

そこからまた練習してまとめていく感じです。

  

(鈴木)社会人なので、月に練習は12回です。

 

(木村)コロナで長い間練習できなかったし。6か月はまったく練習できなかったし。

  

(成田)あ、だから新曲はなかなか進まなかったんだ!2022年になってやっとライブが再開できた感じですね。5月に久しぶりにライブがあって、でも夏にはコロナが流行って難しいと思っていたら、9月になってやっと状況がよくなってきた感じです。

 

──演奏中にリタルダント(だんだんゆっくり)のところがあったと思うのですが、アイコンタクトもなかったですし、お互いを見ずにどうやってあわされていたのですか?

 

(鈴木)練習ですね。

 

(成田)演奏中に急な変更は対応できないので、練習中にここは「ためる」と「早く」とか打ち合わせをして、その時はアイコンタクトももちろんしながら何回も練習繰り返してやっています。20年、30年前は全然できませんでしたけどね。

 

本当にスゴイと思っています

──バンド名に「手話ロックバンド」とか「super-duper」が付いたきっかけは何ですか?

(鈴木)キーボードの高瀬さんが抜けたときかな?

 

(木村)その前から「手話ロックバンド」はつけてたよ。

 

(成田)鈴木君が手話していたからだっけ?

 

(木村)バンドに手話パフォーマーの女性が入っていた時代があって、その時に「手話ロックバンド」ってつけました。

ベースの山本君が入ったときに“super-duper(”とびきりの“とか”素晴らしい“の意味)“が加わりました。それからもう14年かな。

 

その長い中で、メンバーそれぞれのスゴイところやちょっと直してほしいところはありますか?

 (成田)僕は普段はみんなに改めて言わないけれど、常に他のメンバー全員を本当にスゴイと思っています。

 例えば、高校生のとき山本君は勉強は全然できなかったけれど(笑)、ベースや機材、例えばエフェクターのことを無茶苦茶知っているんです。木村君や鈴木君にも機材のアドバイスやつなぎ方などを伝えたりして、すごい勉強している。

 木村君もギターがスゴイ。昔はギターをしている僕の大学時代の友達が大阪にいたので、よく二人で夜に車で行きました。曲を作ったときにその友達にギターソロを考えてもらって、朝帰ってくるということをしていましたね。

 ギターやベースならば弾けばその音がでるんだけど、鈴木君は歌詞をまず覚えるのが大変で、その上に自分の声でメロディをつけないといけないですしね。彼はさっきさらっと「練習」と言っていましたけど、本当にそれはすごいことなんですよ。

 性格的なことはいろいろと突っ込みどころはありますよ(笑)。例えば時間をもっと守れとか!特にね、鈴木君と山本君(笑)

 

(鈴木)自分はいい加減な性格なんで(笑)

 

(成田)まあ、ボーカルはいい加減なところが大事なんだけどね(笑)

 

(木村)僕は音楽的には今のバンドで自分たちがやっている音楽を迷わずに、このまま変えずにやっていきたいと思っています。

 

─ベースの山本さんはあまりトークに入ってこられませんが、シャイですか?

 

(鈴木)(なぜか鈴木さんが)はい(笑)

 

(成田)ベース持っていないときはそうかもしれないね。ベース持つと、性格が変わるけど。

(山本)ベースを持っているときはいろいろと周りのことが気になって、ボーカルのことやギターのことや、あれこれ注意するし、アイコンタクトもあるけどね。

 

成田先生は、バンドメンバーとしてのほうが長いですが、先生と生徒の関係はかわらないんですか?

 

(木村)今でも変わらず先生ですね。

 

(山本)今でも先生だけど、演奏中は同じメンバーとして「早い!早い」とか口で先生に言われたり、アイコンタクトもとったりしますし、今日もドラムがちょっと違ったのでキッと睨んだり(笑)

   

(成田)今日のドラムのおかず(フィルイン:12小節ぐらいの短い即興的な演奏)のときにね(笑)